首都圏の中の北陸ゆかりの地「紀尾井町事件(大久保利通暗殺事件)」 現場付近(東京都千代田区紀尾井町)

首都圏の中の北陸ゆかりの地
「紀尾井町事件(大久保利通暗殺事件)現場付近(東京都千代田区紀尾井町)

(写真上:贈右大臣大久保公哀悼碑(東京都千代田区紀尾井町4-1-13 千代田区立清水谷公園内)<*2023年5月23日訪問撮影>

紀尾井町事件(大久保利通暗殺事件)は、1878年(明治11年)5月14日午前8時ごろ、内務卿大久保利通が馬車に乗って三年町三番地(現・霞ヶ関)の私邸を出発し、赤坂仮御所(現・迎賓館)へ向かう途上の紀尾井町の路上で、午前8時30分ごろ、斬奸状をたずさえた士族6名によって暗殺された事件。

従来一般に「紀尾井坂の変」と称されてきたが、実際に大久保利通が暗殺された場所は、紀尾井坂ではなく、紀尾井坂に至る2百メートルほど手前の壬生基修邸(現・ホテルニューオータニ)と、北白川宮能久親王邸(以前の赤坂プリンスホテル)の間の路上で、紀尾井町の紀尾井町通りで、「紀尾井町事件」の名称が定着しつつある。
(写真上:大久保利道暗殺現場付近、ホテルニューオータニと清水谷公園にはさまれた紀尾井町通り。手前が赤坂見附方面。突き当り左手が紀尾井坂で、その先が赤坂離宮方面<*2023年5月23日訪問撮影>

実行犯は、石川県士族の島田一郎(一良)、長連豪、杉本乙菊、脇田巧一、杉村文一の5名に、島根県士族の浅井寿篤の計6名。その中でも特に中心的存在が島田一郎。尚、脇田巧一は、暗殺実行にあたり罪が家に及ぶのを恐れて士族を辞めて別家し平民となっている)。暗殺事件の実行犯6名は犯行後に赤坂離宮東門(現・迎賓館)に自首し、6名全員、明治11年7月27日、市ヶ谷監獄で斬刑。
(写真上:紀尾井町通り。手前がすぐ赤坂見附。暗殺現場はこの通りの少し先<*2023年5月23日訪問撮影>

なお、江戸時代の初期から、この界隈には大名屋敷が置かれ、紀伊和歌山藩徳川家中屋敷、尾張名古屋藩徳川家中屋敷、近江彦根藩井伊家中屋敷があり、紀尾井町(きおいちょう)の名前は、紀伊徳川・尾張徳川、彦根井伊の三家よりそれぞれ一字ずつ取って名付けられたもの。また、紀尾井坂より南、弁慶橋辺りまでの低地は、清水が湧き出ることから「清水谷」と呼ばれていた。これらの大名屋敷は、明治5年(1872年)新たに麹町紀尾井町に生まれ変わり、明治11年(1878年)、麹町区に所属。明治以降の紀尾井町は、政府用地、北白川宮邸(のちの李王邸、現・赤坂プリンスクラシックハウス〈旧・赤坂プリンスホテル〉)や伏見宮邸(現・ホテルニューオータニ)、行政裁判所(現・城西大学)、尾張徳川邸(現・上智大学)などになる。(写真上:千代田区町名由来板「紀尾井町」<*2023年5月23日訪問撮影>

(写真上:「清水谷」表示板<*2023年5月23日訪問撮影>

(写真上:以前は「紀尾井坂の変」と称されたものの、赤坂見附方面から紀尾井町通りの突き当り左手が紀尾井坂で、紀尾井坂は大久保利通暗殺事件現場ではない<*2023年5月23日訪問撮影>

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